1.14
最近見た映画二本。
①sing street
ジョンカーニー監督作品。
音楽は非常に好みの80's popを感じられる。
だけど世界中どこでもいるモテナイ中二男子の青春の恋を描いた作品。
要するにおしゃれな画角の中にもとにかく「いなたさ」を感じられる。
劇中主人公の行動は、ほぼほぼ挫折なく進んでいくため忘れがちだけど、
やはり冷静に見ると「痛いなぁ〜、こいつ(俺の黒歴史を見せないでくれ)」
と思わせてくれる。
基本的に「俺の嫌な部分をよくもこんなにもまざまざと・・・。」
と感じさせる映画にハズレなしな印象。
例えば「何者」とか。
ソオいった意味ではとてもとても大事な一本。
だけど!
だけど!!
どおも広げた大風呂敷を回収仕切れていない感じが否めない。
例えば、sing streetのメンバーたち。
教育ママのもとで厳しく育てられる作曲担当の彼や、
楽器は何にもできないけどプロデュースに尽力する彼。
少なくともこの二人に関してはもっとスポットライトを当ててあげてもいいんじゃなかろうか。
圧迫された環境下、または自分の感情を顕在化できずに鬱憤を貯める毎日、
「そんなもの糞食らえだ!」
俺たちを見下してる奴らは全員これで見返してやる!(Creepy Nuts的な)
くらいの、バンド活動への動機や、そのくだらないしがらみから解放された瞬間の歓びを描くだけで、きっと私は涙腺大崩壊していたと思う。
惜しい。
本当に大事な作品であることは間違いないのに。
あと不良の彼ね。
なぜメンバーの仲間入りしたのかの動機が表面的なシーンのみで、
ロジックとして物足りなさが。
カーストの上にいても、本当は、より強いもの(親)からの自由は得られていない。
そんな彼が、バンドメンバーの自由な姿に感銘を受け、葛藤し、最終的に自分の意思で、
父親からの支配から抜け出しバンドメンバーと合流してくれた方がカタルシス倍増な気がするんだよなあ。
と、まあここまでバンドメンバー中心に感情移入をしてきたわけだが、
真に私にとって愛すべきキャラは主人公のお兄さんであろう。
2018年の私はというものの、弟の成長と大きさ(中身)を真正面からぶつけられ、
「俺だって本当は・・・」「こんな環境じゃなければ俺だって」
的な感情 MAXになっていたところに、彼。
もお気が気じゃない。
家族のゴタゴタというところは私には理解できない内容だが、
「自分のプライドによる弟への嫉妬」、
「俺は本気出せばこんなもんじゃない」
感は主人公に感じた時の倍以上は
「これ以上俺の嫌なところを見せないでくれ!!」
と思った。
だからこそ最後のお兄さんが家を出て弟たちの夢にかけて、
動くシーンには心の底から感動できた。
人間自分の「不」を認め、誰かのために自分の100%を捧げることってそんなに簡単ではないはず。
トータル的に見て、尊敬すべき宇多丸師匠のお言葉をお借りするのであれば、
「またこいつらに会いてえ!」
(作曲担当の彼はまともな大人になってない)
(主人公の彼は本当は最低野郎)
っていう感情は少なからずあるけど・・・。
でも、「きっと演奏が飛躍的に上達してるのは、、もしかしたら主人公の彼の視点かもしれない」という見方は非常に面白かった。
今後も精進です。
あとはギグの妄想シーンや、体育館でのMV撮影のシーンとかは本当に最高。
笑いと感動、どちらの面でも非常に心に残る一作でした。
MV撮影のシーンはあれ完全に「SRサイタマノラッパー」の市民プールや、市役所の会議室シーンと張るくらいの名シーンであることは間違いないし、完全にダブりましたね。
さて、この後はじまりのうたを観たんだけれども長くなってしまったためそれはまた今度ということで。
sing street
これは逆に後30分長くても良かったんじゃないかなー。